諏訪岡谷地域における地域工業集積・産学連携ビジネス研究センター

大学・研究教育機関と諏訪岡谷の産業界をつなぐ!
国内各産業地域やアジア中国との連携を発展させる!

設立の趣旨

諏訪岡谷地域の工業集積とその変革

中小企業が地域に多数、立地し、多様で高度なものづくりを可能にしている工業集積は日本の製造業の一つの特色です。諏訪岡谷地域は戦前の生糸、戦後の時計、カメラ生産などを経て、現在は電子機器用の精密部品などを手がけている工業集積で、現在、地域内に 約2千社 の企業が集まっております。 しかしながら 、 1985年のプラザ合意以降、大量生産拠点のアジア諸国への移転という流れの中で、地域への集積、情報技術の利活用などにより 多品種少量短納期という生産の高度化を 進めつつも、新しい 地域ビジネス のあり方を模索しています。

諏訪岡谷地域の工業集積と大学との研究開発交流

中小企業が中心の工業集積の今後を考える上での一つの鍵が大学との研究開発交流、いわゆる産学連携です。東京、大阪などの大都市圏とは異なり、諏訪岡谷地域はその周辺に必ずしも強力な研究開発機能を有している訳ではありませんが、その中で地域の工業集積と、諏訪東京理科大学信州大学山梨大学長野高専岡谷工業高校京都大学東京工業大学東京大学東北大学九州大学、等の大学・研究教育機関との間の研究開発の交流を進め、実績を挙げてきました。また、その中で単に大学の研究成果を事業化するという産学連携のみならず、大学での多様な試作ニーズに応えて大学での研究の具体化に貢献するという流れも創出して来ました。

諏訪岡谷地域の工業集積と大学との研究開発交流。  愛知万博向けロボットの共同開発も行い全国的に有名となりました。例えば次世代生産のためのデスクトップファクトリーの研究や微細加工新素材開発での取り組み、あるいは医療分野での取り組みなど多くの開発テーマに取り組んでいます。最近では愛知万博向けロボットの共同開発も行い全国的に有名となりました。

このように大学や研究教育機関などの「知識」の集積と、ものを作り出す工業集積地域との創造的な関係が高い価値をもつ技術や製品、サービス、そして次代を牽引する新たな産業そのものやそれを支える人材を生み出していく可能性と重要性はかつてなく高まっていると考えています。

新しい工業集積のビジョンを求めて

新しい工業集積のビジョンを求めて また、技術や製品の開発に限らず、そこから生まれる大学・研究機関と諏訪岡谷地域のような産業集積地域との連携や提携によって高い付加価値を創出し地域産業と地域社会が豊かになるための産業モデルとビジネスモデルそのものの研究とその実現にむけた持続的な模索もこの地域においては10年ほど並行して行なわれてきています。

更に情報技術・ネットワーク技術の進展により多様で高い価値の生産を求める市場側と供給側である地域産業集積との間にこれまでとは異なる新たな産業創生の可能性も急速に開けてきました。

これらの実績とそこから学び蓄積した成果と可能性とをベースに,我々は産学連携の新しい形態として、産学の有志が諏訪岡谷地域でネットワークし、新しい工業集積の可能性を追求することが求められていると考えるに至りました。
 

アジア中国との関係と国内産業集積地域間の連携の追

アジア中国との関係と国内産業集積地域間の連携の追及 一方において、製造業の領域ではアジア中国の経済・産業の台頭と存在を考慮せずにはおけない状況がすでに存在しています。 諏訪岡谷地域は自らをアジア中国を含む国際間の経済産業システムの一部として、あるいはまた国内各地域産業の一部として自らを位置付け、その認識のもとに行動しなければならない時代でもあります。

これらの内外との関係については、国家の産業施策の一部として受動的に機能するのみでなく、自ら国内各地域や世界各所に目を配り、その中に諏訪岡谷地域の産業の未来をも通す目線が必要となると考えています。

  このことからも「古くは製糸業から始まる世界の中の諏訪岡谷工業集積地域」の更なる可能性を追求することも必要であると考えています。

ネットワークのネットワークとして、行動するビジネス研究センター

ネットワークのネットワークとして、行動するビジネス研究センター 先に述べたような今後の諏訪岡谷地域の工業集積のあり方を考えてゆくために我々は諏訪産業集積研究センター( Suwa Industrial Accumulation Research Center, SIARC)の設立を構想するに至りました。我々の構想では既に諏訪岡谷地域に存在する多くの工業集積内部のネットワークを有機的に外部の大学・研究機関などが有する人材と知識のネットワーク、単に工学にとどまらず、システム・情報科学、ビジネス、地域政策、文化などの多様な知のネットワークと結びつけるネットワークのネットワークとして、そして世界の産業地図の中に存在する巨大なネットワークの上に諏訪地域の工業集積の新たな可能性を書き込む意義と価値を見いだし,地域と日本に貢献するための創造的な活動をする拠点を構築してゆこうと考えています。